ギリシャ、ロシアに支援要請せず 提携強化は確約

2015年4月9日(木)02時40分

[モスクワ 8日 ロイター] - ギリシャのチプラス首相は8日、訪問先のモスクワでロシアのプーチン大統領と会談し、ロシアによる提携強化に向けた確約を取り付けた。

ただ、両首脳ともにギリシャはロシアに金融支援を要請していないと言明。プーチン大統領は欧州連合(EU)の対ロシア制裁への対抗措置の一環として導入している農産品の禁輸措置について、ギリシャのみを例外として解除しない方針を示した。

クレムリンでチプラス首相との共同記者会見に臨んだプーチン大統領は、「ギリシャ側から支援要請の話は出なかった」とする一方、「エネルギー部門を含む経済のさまざまな分野での協力について協議した」と述べた。

両首脳が協議した提携案件の1つが、ロシア産天然ガスを黒海経由でトルコに供給するパイプライン、「ターキッシュストリーム(TS)」をギリシャまで延長する計画。

チプラス首相はこれについて、「トルコとの国境から天然ガスをギリシャ本土に運ぶパイプラインの建設事業に関心を持っている」と述べた。

プーチン大統領はまた、協議されているエネルギー関連プロジェクトにロシアが融資することも考えられると指摘。ロシア企業がギリシャの民営化プログラムに関心を寄せる可能性もあると述べた。

農産品の輸入をギリシャのみ例外として解禁することを検討するとの観測も出ていたが、プーチン大統領は「(EUへの)対抗措置は当然ギリシャの痛手となっているが、これについてロシアに責任があるわけではない。特定の国を例外的に扱うことはできない」と述べた。

一部EU加盟国の間では、ギリシャはロシアへの接近をてこに、EUや国際通貨基金(IMF)からの支援を引き出す戦略に出るのではないかとの懸念が出ている。

ただ、ロシアはウクライナ問題をめぐり欧米が発動させた制裁措置のほか原油価格の下落などで経済が弱体化。ギリシャに支援を提供できるほど経済が良好な状態にないのが実情だ。

*内容を追加します。

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