墜落直前の機内映像を発見か、独紙「激しい揺れに悲鳴」

2015年4月2日(木)13時36分

[ベルリン/ルベルネ(フランス) 1日 ロイター] - 仏アルプスで先週起きた独ジャーマンウイングス機の墜落事故で、独仏メディアは1日、現場で回収された携帯電話から墜落直前の機内の様子を捉えた映像が発見されたと報じた。

独ビルト紙によると、映像は乗客の1人が携帯電話で撮影したものとみられ、激しく揺れる機内の混乱した様子が映っていた。「神様」などと叫ぶ声も聞こえ、乗客らは何が起きているのか分かっている様子がうかがえるという。

また、金属でたたくような音が少なくとも3回聞こえるが、これは機体を故意に降下させたとみられているアンドレアス・ルビッツ副操縦士に操縦室から閉め出された機長によるものとみられる。映像の最後の方では機体が激しく揺れて一方に大きく傾き、乗客の悲鳴で映像は途切れるという。

映像は後方客室付近から撮影されたとみられるが、撮影者の特定は困難だと同紙は伝えている。

一方、仏検察当局者は、現場から回収された携帯電話はまだ解析されていないとしている。

また、仏週刊誌パリ・マッチは同映像について報じたほか、「特別捜査官」の話として同機パイロット2人の会話を紹介。機長がトイレに行くため操縦室を出る際、ルビッツ副操縦士に操縦をまかせると告げると、副操縦士は「私にできるといいですが」と答えたという。

一方、ジャーマンウイングスの親会社であるルフトハンザのカーステン・シュポア最高経営責任者(CEO)は同日、墜落現場近くを訪問したが、記者団からの質問には一切応じなかった。同CEOは事前に用意した声明で、ルビッツ氏がなぜ旅客機を仏南部のアルプス山中に向かわせたのか不明だと指摘。事故の原因が日々分かってきているが、「どうしてこのような事故が起きたのか、われわれ全員が理解するには長い時間がかかる」と述べた。

ルフトハンザは前日、副操縦士について、深刻なうつ病の症状を患ったことを示す医療記録を航空学校に電子メールで提出していたことを認めている。

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