豪中銀、住宅価格抑制に自信 融資基準の監督強化で
[シドニー 25日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は25日発表した金融安定性報告の中で、現在実施している融資基準の監督強化が住宅価格の伸び抑制につながるとの見方を示した。
豪中銀は年2回の報告書で、シドニーといった大都市を中心に新規住宅ローンの融資先が依然として投資家に偏っていると指摘。「引き続き強い投機的需要は住宅価格の上昇を加速させる傾向にあり、少なくともいくつかの地域で価格が大幅に下落するリスクがある」とした。
そうなれば、家計の資産や支出に及ぼす影響により、まずは経済が幅広い打撃を受けると想定。「そうしたシナリオに沿って住宅価格が下落すればするほど、銀行が住宅融資で損失を被る可能性が増す」と指摘した。
また、賃貸環境が軟化しているにもかかわらず投資家の需要は強いとして、商業不動産セクターでもリスクが高まっていると指摘。「不動産利回りが低下する現状で、担保評価に特別な注意を向けるのは正当化される」とした。
豪中銀は、2月の予想外の利下げが住宅価格上昇を助長するとの懸念を否定。住宅に対する需要を「わずかに」押し上げるにすぎないと主張した。その上で「低金利で強い需要という環境のなか、融資基準が下がらないことが重要だ」と指摘した。
そのために、金融監督当局などが最近になって関連措置を打ち出したと説明。「住宅融資活動全体において、これらの措置が及ぼす影響を確認するのは時期尚早」としつつ、「各当局は住宅ローンにおける現在のリスク環境が悪化しないようにするため、今後の情報を注視する」とした。
家計向け与信の伸びは引き続き緩やかだとして、家計に対する懸念は比較的小さいと指摘。ただ、労働市場環境が想定よりも低迷すれば家計のストレスが拡大し始めるだろうと付け加えた。
一方、企業の財務については総じて良好のようだと指摘した。
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