スイス中銀が成長予想引き下げ、フラン高注視

2015年3月20日(金)00時19分

[チューリヒ 19日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)は19日、今年の経済成長・インフレ見通しを引き下げた。1月にスイスフラン相場の対ユーロ上限を撤廃してフランが急騰、輸出に依存する経済に打撃となったことを受けた。

中銀はスイスフランが「著しく過大評価されている」として、引き続きフラン下落に向けて積極的に外為市場で措置を講じると表明。金融政策を運営する上でフラン高、およびフラン高がインフレや経済情勢に及ぼす潜在的な影響に引き続き注意を払うとした。

今年の実質国内総生産(GDP)伸び率は1%をやや下回る水準とし、前回見通しの2.0%程度から引き下げた。

相当な生産能力の活用不足が短期で生じる恐れがあるほか、失業も増加すると見通した。

インフレ率(前年比)は、今年がマイナス1.1%(前回見通

しマイナス0.1%)、来年がマイナス0.5%(同プラス0.3%)、2017年はプラス0.4%と見通した。金利が横ばいで推移し、フランが弱含むことが前提とした。

中銀はこの日、中銀預金金利をマイナス0.75%で据え置いた。3カ月物LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の誘導目標も市場の予想通り、マイナス1.25─マイナス0.25%で維持した。

ジョルダン総裁は記者会見で「スイス中銀は現在の金利水準を当面維持する。これにより、スイスフランの下落を継続することができるだろう」と述べた。

さらに「フランの対ユーロ上限を廃止し政策金利を引き下げることは、ほかに良い代替策のない金融政策措置だ」と話した。

また、年金基金などの訴えにもかかわらず、一部預金に対するマイナス金利への例外措置を拡大することに反対する姿勢を示した。スイスは短期的にインフレ率の低下を受け入れなければならないとしたほか、フラン高是正に乗り出しているかどうかについてはコメントを拒否した。

*内容を追加して再送します。

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