IEAが2015年の原油需要予測を引き上げ、「価格安定は一時的」

2015年3月13日(金)20時04分

[ロンドン 13日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)は13日発表した月報で、原油価格の安定化は、米国の生産が鈍化する兆しが見られないことから、一時的なものにすぎないとの見方を示した。2015年の原油需要(日量)を平均9350万バレルと予想。増加幅を7万5000バレル引き上げ100万バレルとした。

石油輸出国機構(OPEC)産原油の需要予測を3030万バレルと、OPECの生産目標の3000万バレルにより近い水準に引き上げた。

月報は「今年になって需要回復の一時的な兆しがでてきたが、あくまで一時的」とくぎを刺した。

米国の備蓄余力が近くなくなるとみられ、そうなれば価格に一段の押し下げ圧力がかかると指摘。そのプロセスは、米原油生産の伸びが鈍化し始めるとみられる2015年後半までは続くとした。

「一見したところ、原油価格は安定化したように見えるが、おぼつかないバランスだ。実際は価格急落によってもたらされた不均衡の是正はまだ終わっていない」との見方を示した。

石油掘削装置(リグ)稼動数の大幅な減少が最近の原油相場反発の主な要因と分析した上で「米国の供給が減少する兆しはまだ見られない。むしろ予想に反する状況が続いている」と指摘した。

IEAによると、直近の米国の原油在庫は過去最大の4億6800万バレル。月報は「米国の在庫は近く、貯蔵量の限界を試す可能性がある。そうなれば必然的に価格が再び下落する」との見方を示した。

「原油価格の下落に対応するための供給削減が始まるまでに予想以上に時間がかかるかもしれないが、突然起きる可能性もある」と警告した。

原油需要が最も弱くなる2015年第2・四半期の石油輸出国機構(OPEC)産原油の需要は、日量2850万バレルと2月の産油量の同3022万バレルを下回るとしている。

*内容を追加します。

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