インド中銀が今年2度目の緊急利下げ、財政再建策への支持示す
[ムンバイ 4日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は4日、政策金利のレポレートを7.75%から7.5%に引き下げると発表した。即日実施する。
利下げは1月15日に続き今年2回目で、いずれも臨時の金融政策会合による決定。現金準備率は4.00%に据え置いた。
インフレの落ち着きに加え、経済の一部が弱含んでいることが背景にある。中銀のラジャン総裁は「設備稼働率が低く、生産や融資関連の指標も引き続き軟調。金融緩和の余地を利用し、先手を打って政策で対応することが適切」と指摘した。
利下げ決定について、政府の2015/16年予算案や、財政健全化に対する姿勢を肯定的に捉えた証だとみるアナリストもいる。
ラジャン総裁は「2015─16年の上期を通じて、インフレ指標が落ち着いた水準で推移し、下期に6%を下回る水準となる見込み。財政健全化計画は遅れが生じるものの、特に州政府が協力的であれば、その質で埋め合わせられる可能性がある」と指摘した。
声明はまた、比較的高水準のルピー相場がディスインフレ圧力を高めているとも指摘。ただ、ラジャン総裁は準備銀が為替相場に目標を設定していないとの見方を示した。
中銀がいずれ利下げすると市場は見込んでいたが、現段階での利下げは予想外だった。
DBS(シンガポール)のエコノミスト、ラドヒカ・ラオ氏は「中銀はインフレ見通しへの自信を示した。また財政赤字は大きいが、財政再建の中身が中銀の期待に応えた内容とみなしたことを示している」と述べた。
実際ラジャン総裁は、金融と財政政策が「補完的に」機能することになると指摘した。
利下げを受け債券と通貨ルピーは急上昇。10年国債利回り
ラジャン総裁はインフレ動向に自信をみせているが、今後の利下げの可能性をアナリストは排除していない。中銀声明でインフレについて双方向のコメントが示されたほか、新たなインフレ目標が設定されたこともあり、「0.25%ポイントの追加利下げを4月にも行う可能性があるが、その後は据え置きとなるだろう」(L&Tフィナンシャル・サービシズの首席エコノミスト)との見方がでている。
*内容を追加します。
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