内視鏡で「スーパー耐性菌」感染、米当局は09年にリスク認識=専門家

2015年2月20日(金)12時59分

[ニューヨーク 19日 ロイター] - 米ロサンゼルスのロナルド・レーガンUCLA医療センターで、抗生物質の効かない薬剤耐性菌「スーパーバグ」に多数の患者が感染した疑いが持たれていることに関連し、院内感染の専門家らは、米食品医薬品局(FDA)が感染源とされる内視鏡の危険性を少なくとも2009年から認識していながら安全対策を何も取っていないと指摘した。

同センターでは内視鏡を使った治療を通じて179人の患者が感染した疑いがあるほか、7人が感染し、このうち2人が死亡している。

問題の内視鏡は、咽頭部から体内に挿入する十二指腸内視鏡で、オリンパス、ペンタックス、富士フイルムの医療部門が製造しているが、UCLAはオリンパス製を使用している。

FDAは2013年と14年にこのタイプの内視鏡に関連した有事事象の報告を75件受けたという。

感染者が出た後にFDAやメーカーの基準よりも厳しい殺菌処理を行うようになった病院では、感染は見られなくなったという。

フロリダ州タンパにあるモフィット・キャンサー・センターの感染症専門家ジョン・グリーン氏は、こうした状況を踏まえ、「FDAがより厳しい規則を打ち出すことを支持する」と語った。

一方、FDAは19日、医療従事者に対し、十二指腸内視鏡の「複雑なデザイン」は効果的な殺菌を妨げる可能性があると警告した。

富士フイルムの広報担当者ダイアン・レイニー氏は、FDAと協力し、感染への懸念に対応していくとしている。

オリンパスの広報担当者マーク・ミラー氏は、内視鏡を使った治療後に患者が感染したとの報告を認識しているとし、この問題を注意深く監視していると述べた。

ペンタックスからのコメントは得られていない。

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