上海FTZ対象の融資規制緩和、銅輸入に打撃=トレーダー筋

2015年2月16日(月)07時02分

[香港 13日 ロイター] - 複数のトレーダーによると、上海の自由貿易区(FTZ)で操業する商社は、資金調達ツールとしての銅輸入を減らす公算が大きい。中国人民銀行(中央銀行)が12日、同FTZ内の企業が海外から資金を借り入れる際の規制を緩和する方針を表明したためで、中国の銅輸入量は一段と打撃を受けそうだ。

同FTZ内に子会社を設けているアジア系商社の執行役員は「上海から資金を出し入れする手段として銅取引を利用していたが、子会社と直接資金をやりとりすることが認められたため、銅は不要になった」とコメントした。役員が匿名を条件に語ったところによると、FTZの保税銅在庫は、銅を担保とした融資契約の減少とともに縮小する見通しという。

中国の金融機関は昨年下半期、金属を担保とした不正融資問題の調査のさなかに与信を引き締め、その影響で銅の輸入量が急減した。2012─13年に中国に輸入された銅精鉱の50%余りで、融資との関連が指摘されている。 14年の銅精鉱輸入量は、期間契約の輸入や政府による買い付けの増加で過去最高に膨らんだものの、下半期はスポット(随時契約)買いの減退で輸入量は上半期から9%余り減少した。これが要因となって銅価格は、1月末時点で昨年7月に付けた5カ月ぶりの高値から約25%下落した。

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