米7月JOLTS、求人件数が過去最多 高技能労働者不足が顕著

2017年9月13日(水)02時55分

[ワシントン 12日 ロイター] - 米労働省が発表した7月の米求人労働移動調査(JOLTS)で、求人件数が調査開始以来最多となった。相次ぐハリケーン襲来前は米労働市場は堅調で、8月の雇用増ペースの軟化は一時的なものだった可能性があることが示された。

求人件数は季節調整済みで5万4000件増の620万件となり、2000年12月の調査開始以来の高水準となった。求人件数は2カ月連続で600万件を超えている。

採用件数は6万9000件増の550万件。採用率は3.8%と前月の3.7%から上昇し、約1年半ぶりの高水準を付けた。

RDQエコノミクス(ニューヨーク)の 首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「雇用主は高い技能を持つ労働者を必要としているが、そうした労働者の供給は少なくなっている」と指摘。「こうしたことは労働市場が比較的正常な状態に戻った可能性があることを引き続き示しており、連邦準備理事会(FRB)による例外的な支援はもはや必要ない可能性がある」と述べた。

労働者不足を背景に労働市場の引き締まりが継続していることが確認され、インフレ率は目標を下回り続けているものの、FRBは年内は金融引き締めを継続する可能性がある。

JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「今回のJOLTSで労働市場が7月は堅調だったことが示され、8月の雇用統計がやや失望感を誘ったことについて大きく懸念する必要はないとのわれわれの見方が裏付けられた」としている。

7月は業種別では運輸、倉庫、公益で7万件増加。教育サービスで2万6000件増加したほか、建設は2万件増加した。

一方、製造業は2万9000件減少。ヘルスケア・ソーシャルアシスタンスは7万2000件減となったほか、政府部門は2万1000件減少した。

自発的な離職件数は約320万件と、前月の310万件から増加。離職率は2.2%と、前月の2.1%から上昇した。連邦準備理事会(FRB)は離職率を労働市場の信頼感を推し量る指標と見なしている。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズの首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「労働者が現在の職を手放さないことが企業にとり問題となっている」と指摘。「他社から人材を引き抜きかない限り転職する理由は生まれず、採用可能な高技能労働者の数が限定される事態となっている」と述べた。

レイオフ・解雇件数は2万3000件減の178万件。レイオフ・解雇率は1.2%と、前月から横ばいだった。

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