5月米消費者物価が予想外の下落、上昇圧力弱まる

2017年6月15日(木)02時12分

[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は、前月比0.1%下落だった。市場は横ばいを予想していた。4月は0.2%上昇だった。ガソリンをはじめ幅広い品目で価格が下落しており、物価上昇圧力が弱まっていることを示唆している。

物価は過去3カ月のうち2カ月で下落した。

5月のCPIは前年同月比では1.9%の上昇。昨年11月以来の小さな伸びだった。上昇率は市場予想の2.0%も下回った。4月は2.2%上昇していた。前年同期比のCPIの伸びは、過去10年の年間上昇率の平均である1.6%は依然として上回っている。

変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは、5月に前月比で0.1%上昇した。衣料や航空運賃、通信、医療サービスが値下がりしたことが全体を押し下げた。4月も同じ0.1%の上昇だった。

5月のコアCPIは前年同月比1.7%上昇で、2015年5月以来の小さな伸びにとどまった。過去10年の年間上昇率の平均である1.8%も下回った。4月は1.9%上昇だった。

同日発表された5月の小売売上高も1年4カ月ぶりの大きな落ち込みとなっており、弱含みは一時的としてきた米連邦準備理事会(FRB)にとっては、懸念材料となる可能性がある。

FRBは14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を25ベーシスポイント引き上げると予想されているが、年内の追加利上げを困難にするかもしれいない。

TD証券のチーフエコノミスト、マイケル・ハンソン氏は「指標はダブルでFRBの失望を招く内容」とし、弱い指標が続いていることはFRBの信念に疑問を投げかけると話す。

ウェルズ・ファーゴ証券のシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「FRB当局者は下期の政策正常化方針に一段の確信を持てるまで、今後数カ月のインフレトレンドを注視するだろう」と述べる。

5月のCPI内訳は、賃貸住宅の家賃が0.3%の値上がりとなった。帰属家賃は0.2%の上昇。いずれも4月と同じ上昇率だった。

ガソリンの価格は6.4%下落し、昨年2月以来の大きな落ち込みとなった。4月は1.2%の下落だった。食品価格は5カ月連続の値上がりとなった。

*内容と写真を追加して再送します。

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