日産と独ダイムラーの小型高級車開発、コスト問題などで急ブレーキ=関係者

2017年1月6日(金)10時12分

[パリ 5日 ロイター] - 日産自動車と独自動車大手ダイムラーの小型高級車共同開発計画に急ブレーキがかかりつつある。複数の関係者がロイターに明らかにした。

これら関係者の話では、日産は昨年10月、ダイムラーとともに資金を拠出して改良してきたプラットフォーム(車体などの基本部分)の「MFA2」を、高級ブランド「インフィニティ」に使用しないことを決めた。メルセデス・ベンツの技術が盛り込まれた高コストを吸収できるほど、インフィニティの売れ行きが良くないことが一因という。

ある関係者は、インフィニティに設定された販売目標を達成するのが難しすぎると指摘した。

日産の決定は、両社が10億ドルを投じたメキシコ・アグアスカリエンテス工場の作業効率に影響を及ぼす恐れがある。2人の関係者は、同工場では生産工程の省力化とコスト節減のため、両社の小型車が「MFA2」を共有する方針だったと説明している。

また関係者によると、日産はメルセデス用の製造設備がある英国工場への2億5000万ポンド(3億0600万ドル)の投資についても、一部償却を迫られかねない。

関係者は、日産の決定は米大統領選で保護主義的な政策を掲げたドナルド・トランプ氏が当選したこととは関係がないと強調。ただ、日産とダイムラーがメキシコで生産した小型高級車の有力な輸出先とみなしている米国では、原油安を背景に大型車に消費者の需要がシフトしており、インフィニティなどにとって収益性のハードルが高まっている。

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