伊政府、モンテ・パスキ救済に約65億ユーロの注入必要に=関係筋
2016年12月28日(水)00時05分
[ローマ/ミラノ 27日 ロイター] - 関係筋によると、イタリア政府は、経営難に陥った銀行大手モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(モンテ・パスキ)の救済に約65億ユーロ(68億ドル)の注入を余儀なくされる見通しであることが27日、関係筋の話で明らかになった。
モンテ・パスキが26日明らかにしたところによると、欧州中央銀行(ECB)は、モンテ・パスキに対し、同行の資本不足額が当初想定の50億ユーロから88億ユーロに拡大したことを伝えた。
これによりイタリア政府の救済規模は約65億ユーロと、当初予想から拡大。残りの23億ユーロは機関投資家が保有する劣後債の株式への転換を通じて調達する見通し。
政府がモンテ・パスキに65億ユーロを注入した場合、政府保有比率は約70%となる。
政府の提案によると、政府は約4万人の個人投資家による約20億ユーロのモンテ・パスキの劣後債の株式への転換を支援。個人投資家は転換した株式を優先債に交換し、政府がモンテ・パスキから株式を買い取る。
こうした措置には欧州連合(EU)の承認が必要となり、承認には最大3カ月かかる可能性がある。
政府によるモンテ・パスキ株の取得額などの支援策の詳細が発表されるまで、モンテ・パスキ株の売買は停止されている。
政府支援により中堅銀行カリジェのほか、ポポラーレ・ディ・ビチェンツァ、ベネトバンカなども恩恵を受けると見られている。
*内容を追加しました
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