トランプ氏にカリスマ性、現実的な政策に期待=柴山補佐官

2016年11月10日(木)21時05分

[東京 10日 ロイター] - 柴山昌彦・首相補佐官は10日のロイターのパネル・ディスカッションで、米国のトランプ次期大統領について「カリスマ性がある」と評価し、現実的な政策を打ち出すとの「期待が高まっている」と指摘した。

新政権で為替がどちらの方向に進むのかは「わからない」と述べた。

柴山補佐官は、9日に急激に進んだ円高・株安が反転した背景を「トランプ氏が勝利宣言でかなり現実的な政策を採ることをにおわせ、期待感が予想以上に高まった」と分析した。

安倍晋三首相は10日トランプ氏と電話会談したが、その中では「個別のテーマというより、トータルな日米関係が極めて大切と発言した」という。17日には両者の会談も決定しており「トランプ氏にはカリスマ性がある。カリスマ性のあるリーダー同士が会って信頼関係を築くのが国益にかなう」と期待した。

ただ、政権として「クリントン氏と比べ、トランプ氏とのパイプが乏しいのは事実」とも述べた。

トランプ氏が批判している環太平洋連携協定(TPP)について「再交渉や一部修正は考えられない」と指摘した。

<トランプ大統領で円高か円安か「わからない」>

米次期政権の為替への影響について「利上げが遅れればドル安に振れ、積極財政ならドル高になる。トランプ氏がどちらに重きを置くか、結論から言えばよくわからない」と述べた。

昨年来、円安進行が止まったのは政権の意向か、との質問に対しては「中小企業は過度の円安歓迎しないと発言したことはあるが、円安を止める趣旨ではなかった」と解説した。

<日ロ会談「厳しい見方ある」>

日ロ首脳会談は「厳しい見方があるのも承知しているが、ある程度成果あると期待している」と強調。

日ロ交渉などとの連想で取り沙汰される早期衆院解散については「地元秘書にはどのようなことがあっても準備をするよう指示している」という。

<マイナス金利「効果ないわけでない」>

日銀のマイナス金利政策については「企業の資金調達金利は下がっており、効果がなかったわけでない」と評価する一方、金融機関の間で「まだ深掘りするのか、との不安があるのも知っている」と指摘。「緩やかな景気回復と物価の明るい見通しがあれば、金融政策へのプレッシャーは避けられる」とも述べた。日銀による外債購入については「介入目的の外債購入は、日銀自らの判断ではできない」とした。

(竹本能文)

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