米企業への税調査、アップルに続く予定ない=EU競争担当委員

2016年9月21日(水)09時52分

[ワシントン 20日 ロイター] - 欧州委員会のベステアー委員(競争政策担当)は20日、米企業に対する新たな税務調査に着手する予定はないと明らかにした。

欧州委は先月、アイルランドによる米アップルに対する法人税の優遇措置が違法な政府補助に当たると認定し、同社に130億ユーロ(145億ドル)の追徴税を課すようアイルランド政府に命じた。

ベステアー委員が先週末、米企業への税務調査に関してツイッターでコメントしたことを受け、EUが米企業が関わる政府補助の調査を新たに始めるとの懸念が広がっていた。

問題の発端は、9月16日付の書簡で、米主要企業約185社のトップからなるロビー団体「ビジネス・ラウンド・テーブル」の代表が欧州連合(EU)加盟28カ国に対し、アップルへの追徴課税命令の取り消しを求めたことにある。

これを受け、英資産運用会社アルジェブリス・インベストメンツのCEOがベステアー委員宛てに「欧州で税率0.05%が適用されることを合法と考えるCEOが米国に185人もいる。すぐに彼らの納税状況を調べてほしい」とツイート。

同委員は翌日、「そのようにする。また、自分の会社がきちんと納税するよう努めているCEOがいることも私の念頭にある」とツイッターで返した。

ベステアー委員は20日、ロイターのインタビューに応じ、自身のツイートが新たな調査を示唆するものか問われると「そうは思わない」と回答。ビジネス・ラウンド・テーブルの主張については、「EU理事会が(アップルに関する)決定を覆すことはできない」と語った。

また、先のルー米財務長官と上院財政委員会メンバーとの会談では、アップルについて「極めて率直な議論」が交わされ、国際的な税の問題について「非常に開かれた対話」が行われたと語った。

一方、会談に出席した上院議員は、ベステアー委員が政府補助の調査に関する一部の質問に答えなかったと明らかにしている。

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