米利上げ、年内2回の可能性 経済の基調は良好=SF連銀総裁

2016年7月30日(土)03時43分

[ケンブリッジ(米マサチューセッツ州) 29日 ロイター] - 米サンフランシスコ(SF)地区連銀のウィリアムズ総裁は29日、年内の利上げ実施は理にかなっているとし、米連邦準備理事会(FRB)は経済指標の内容次第で最大2回の引き上げが可能との見解を示した。

また、朝方発表された第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値が前期比年率で1.2%増と、市場予想の2.6%増を大きく下回ったことについては、在庫や政府支出の振れによるものとし、米経済の基調は「良好」にようにみえるとの考えを示した。

総裁は、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前に雇用やインフレに関する主要指標が発表されることに言及し、「経済指標が引き続き、年内の利上げを支える内容になると想定することは理にかなっている」と指摘。「今後数カ月にかけて発表される指標は、年内2回の利上げを正当化する内容となる可能性がある」との考えを示した。同時に、経済指標が年内1回の利上げ、もしくは利上げを実施しないことを支える内容となる可能性もあると語った。

また、6月の米雇用統計が堅調となった半面、経済成長が弱含んでいることは、生産性が予想以上に低下している可能性を示唆しているとしつつも、「(第2・四半期GDP統計の)最終需要などの基調的な項目は良好のようにみえる。政府支出や在庫は振れやすく、とりわけ第1、および第2・四半期にマイナスの影響につながった」とした。

FRBは26─27日に開いたFOMCで金利据え置きを決定したが、声明では「短期的な経済見通しへのリスクは低下した」との認識を表明。総裁はこの認識について、雇用統計を含む米国の経済指標が6月以降改善しているとFRBが確認したことを意味していると述べた。

総裁の今回の発言は同FOMC後、FRB高官の公の場での発言として初めてのものとなる。

ウィリアムズ総裁は今年のFOMCで投票権を持っていない。

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