マザーズ先物、上場初日は薄商い 任天堂に個人の関心が集中
[東京 19日 ロイター] - 東証マザーズ指数先物の上場初日は薄商いだった。値動きは底堅かったが、過去最高の大商いとなった任天堂に個人投資家の関心が集中。データが不足しているため、アルゴリズム取引などの参入も限定的であり、静かな「船出」となった。
東証マザーズ指数先物・期近物
値動きは底堅さを示したマザーズ先物だが、市場からは「想定していた以上に商いが乏しく、手を出しづらい」(外資系証券トレーダー)との声も聞かれた。上場初日のマザーズ先物の出来高は2847枚。売買代金は26億円と、マザーズ市場の売買代金1143億円に対し、2%強にとどまった。
マザーズ先物が薄商いとなった要因のひとつが任天堂だ。任天堂の売買代金は7036億円と、東証1部全体の23%を占める大商い。関連銘柄も人気化するなど「個人投資家の関心は任天堂関連に一極集中しており、5月くらいまで活況だったマザーズ市場はいったん見放されている」(国内証券)という。
またアルゴリズム取引などの自動売買システムが、まだ本格参入していないことも薄商いの一因とみられている。松井証券シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「アルゴリズム取引は最低でも3日間以上のデータをトラッキングしないと自動売買できないとされており、マザーズ先物市場に参入するのは来週以降になるだろう」と指摘した。
このほか、取引時間中には、最良気配(気配注文のうち、最も安い売り気配と最も高い買い気配)の差が2─3ポイント程度離れる場面もあり、板の薄さが目立った。現物指数と10─15ポイント程度の逆ザヤ状態が続き、裁定取引がきちんと働いていないことも投資家の慎重な見方につながっているという。
(杉山容俊)
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