独IFO、16年成長率予想を1.8%に上方修正 英EU離脱なら失速

2016年6月16日(木)22時39分

[ベルリン 16日 ロイター] - 独IFO経済研究所は16日、2016年の独経済成長予想を1.8%とし、4月に示した1.6%から上方修正した。ただ英国が欧州連合(EU)離脱を決めれば失速する恐れもあるとした。

クレメンス・フュースト所長は、英国が欧州連合(EU)から離脱した場合、最悪のシナリオではドイツの長期的な経済成長率を3%押し下げることになると指摘。

「現時点でブレグジットが最大のリスクだ」とし、世界の通商コストが上昇する一方で競争力は低下し、国境を越えた投資は縮小するだろうと述べた。

同氏はリスクとして関税の上昇、競争力低下、国際投資の減少などを挙げ、「ドイツは多くのものを失い、得るものはほとんどない」と語った。

ただIFOは、ドイツの労働市場は堅調に推移しているとし、流入する難民・移民による消費も押し上げ要因になっていると指摘。来年の成長率見通しを1.6%とし、前回予想の1.5%から上方修正した。

独連銀の成長率予想は今年が1.7%、来年が1.4%。IFOの方が若干楽観的となっている。

IFOはインフレ率については今年は0.5%、来年は1.5%に加速すると予想。失業率は今年は一段と低下し、来年は安定的に推移するとの見方を示した。

雇用者数は今年は過去最大となる4360万人、来年は4390万人に増加すると予想。これにより内需と税収が押し上げられ、政府は財政均衡を維持しながらも歳出拡大が可能になるとした。

輸出は今年は約3%、来年は4%を超えて増加すると予想。これにより経常黒字は過去最大に達するとの見通しを示した。

*内容を拡充し、写真を追加しました。

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