米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し
[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が一段安となったことに加え、世界経済への懸念再燃で市場心理が悪化した。 週間ベースでは、S&Pが約0.1%、ナスダックが約1.0%それぞれ値下がりした。一方、ダウは約0.3%高だった。
欧州連合(EU)離脱を巡る英国民投票が23日に迫る中、10日に発表された世論調査で離脱(ブレグジット)派が残留派を大きく上回った。
サーハン・キャピタルのアダム・サーハン最高経営責任者(CEO)は「世界経済は弱含んでおり、大きな衝撃に耐えることはできないだろう。ブレグジットが起きれば、それは大きな衝撃となる」と話している。
10日は米国の原油価格が約3%値下がりし、1バレル=50ドルを下回った。S&Pエネルギー株指数は約2%の低下となった。
世界的に株が売られ、米国債や日本円などリスクが少ないとされる資産が買われた。国債利回りは世界的に低下。S&P金融株指数はは約1.2%安だった。
米資産運用会社ダブルライン・キャピタルのCEOジェフリー・ガンドラック氏は中国の成長が鈍化し、米大統領選の本番が近づく中、経済成長期待は切り下がっており、投資家はリスクの高い資産を手放していると話す。
株式の投資家の一部は、年明けの相場乱高下が再び起きるだろう見込む。S&Pは2月の安値から約13.3%反発しているが、それを支えた1次産品価格の持ち直しは勢いを失いつつある。
投資家の不安心理の度合いを示すとされるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX指数)は10日、16.33%上昇した。
こうした中、半導体大手インテルは0.3%高となった。アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)の一部について、クアルコムに代わって受注を獲得したとする報道が材料視された。クアルコムは2.1%安となった。
米取引所の合算出来高は約68億株で、直近20営業日の平均と同等だった。
ニューヨーク証券取引所では4.24対1で値下がり銘柄の数が値上がり銘柄を上回った。ナスダックは3.75対1で下げ優勢だった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 17865.34 -119.85 -0.67 17938.82 17938.82 17812.34
前営業日終値 17985.19
ナスダック総合 4894.55 -64.07 -1.29 4915.15 4917.92 4880.61
前営業日終値 4958.62
S&P総合500種 2096.07 -19.41 -0.92 2109.57 2109.57 2089.96
前営業日終値 2115.48
ダウ輸送株20種 7764.85 -117.38 -1.49
ダウ公共株15種 680.62 -1.11 -0.16
フィラデルフィア半導体 699.04 -11.88 -1.67
VIX指数 17.03 +2.39 +16.33
S&P一般消費財 621.97 -6.49 -1.03
S&P素材 299.21 -2.07 -0.69
S&P工業 488.45 -4.96 -1.00
S&P主要消費財 552.86 +0.52 +0.09
S&P金融 311.39 -3.90 -1.24
S&Pエネルギー 501.15 -10.15 -1.99
S&Pヘルスケア 827.01 -7.57 -0.91
S&P電気通信サービス 171.84 +1.43 +0.84
S&P情報技術 725.36 -7.77 -1.06
S&P公益事業 255.09 -0.71 -0.28
NYSE出来高 8.78億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 16380 - 150 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 16290 - 240 大阪比
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