ECBのマイナス金利、銀行に恩恵=コンスタンシオ副総裁

2016年6月11日(土)00時32分

[エルトビル(ドイツ) 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のコンスタンシオ副総裁は10日、ECBのマイナス金利政策は一部副作用はあるものの、これまでのところユーロ圏の銀行にプラスの影響を及ぼしているとの見方を示した。

ECBのマイナス金利をめぐっては、特にドイツの銀行が利益を大きく損なうものとして懸念を示しており、関係筋は今週、ロイターに対し、独コメルツ銀行は利子を払ってECBに預金するよりは現金で手元に保有することを検討していると明らかにしている。

こうした動きについて、コンスタンシオ副総裁は記者会見で「マイナス金利政策には代償がある」としながらも、銀行の資金調達コストは低下し、純利ざやは比較的安定的に推移しているなどと指摘。純金利収入は減少しつつあるものの取引量の増加により相殺されていると指摘。

「現時点ではわれわれの政策は銀行に対し、純金利収入の面から見ても全般的にプラスの影響を及ぼしている」と述べた。

そのうえで、ECBの主要な責務は物価安定であるとし、現在のインフレ引き上げに主眼を置いた政策を擁護。「金融安定を金融政策(運営)の優先事項にしてはならないし、することもできないと考えている」と述べた。

*内容を追加して再送します。

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