米新規失業保険申請件数は26.4万件に減少、労働市場の底堅さ示唆

2016年6月10日(金)01時53分

[ワシントン 9日 ロイター] - 米労働省が発表した新規失業保険申請件数(6月4日までの週)は、季節調整済みで前週比4000件減の26万4000件となった。27万件への増加を見込んでいた市場予想に反し減少した。

5月の雇用統計では雇用者の伸びが急減速したが、労働市場が依然力強いことを示唆した。

新規失業保険申請件数はこれで健全な労働市場の目安とされる30万件の節目を66週連続で下回った。これは1973年以来の長さ。

前週分は従来発表から1000件増えた。

労働市場のすう勢をより正確に示すとされる4週間移動平均は7500件減の26万9500件。

労働省のアナリストは、統計に影響を与える特殊要因はなかったと述べた。メリーランド州だけが推定値だった。

受給総数(5月28日までの週)は7万7000件減の約210万件と、2000年10月以来の低水準を記録した。受給総数の4週平均も1万7500件減って215万件となった。

被保険者の失業率は0.1%ポイント低下の1.5%と、過去最低を記録した。

バークレイズのエコノミスト、ジェシー・ハーウィッツ氏は「企業は人員を削減していないようだ」とし、「向こう数週間に採用活動が活発化し、雇用全体の伸びも持ち直す」と予想する。

RDQエコノミクスの首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「労働市場の引き締まりという基調的なトレンドは変わっていない。問題は雇用のミスマッチであり、これは雇用市場の引き締まりの兆候だ」と述べた。

*エコノミストのコメントを追加しました。

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