米4月CPI0.4%上昇、3年超ぶりの高い伸び 年内利上げ後押し

2016年5月18日(水)00時13分

[ワシントン 17日 ロイター] - 米労働省が17日発表した4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.4%上昇と2013年2月以来3年2カ月ぶりの大きな伸びとなった。ガソリンと家賃の値上がりが全体水準を押し上げ、安定的な物価上昇が続いていることを示した。米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げを後押しする可能性がある。市場予想は0.3%上昇だった。

3月は0.1%上昇していた。

4月の前年同月比は1.1%上昇し、市場予想と一致した。3月は0.9%上昇だった。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前月比0.2%上昇した。3月は0.1%の上昇だった。4月の前年同月比は2.1%上昇。3月は2.2%上昇だった。

FRBは2%の物価上昇目標を掲げている。FRBが物価の目安として注目する個人消費支出(PCE)のコア指数は足元で1.6%の上昇となっている。

FRBは4月の連邦公開市場委員会(FOMC)後に発表した声明で、インフレ率の低迷は「それまでのエネルギー価格の下落とエネルギー以外の輸入物価の低下」によるものだとし、物価に関する表現を和らげた。4月のCPIの上昇は、利上げに向けて明るい材料となるだろう。

同日発表された4月の米住宅着工件数や米鉱工業生産も前月から大きく回復しており、米経済が第2・四半期に入り、再び勢いを取り戻したことを示唆している。

FTNフィナンシャルのエコノミスト、ジェイ・モアロック氏は「物価上昇に加え、住宅着工と鉱工業生産が増えたことは、米成長率が第2・四半期に加速する可能性を裏付けており、年内に最低1度の利上げが必要との議論が浮上するだろう」と話す。

市場は、年明けの米経済の低迷を踏まえ、FRBが9月より前に再利上げに踏み切ることはないと見込んでいる。

4月の小売売上高は米経済が第2・四半期に勢いを回復したことを示唆した。しかし、4月は雇用の伸びが鈍化した上、最近では失業保険の新規申請数が増えており、雇用情勢への懸念はいくらか再燃している。

4月のCPIの内訳は、ガソリンが8.1%上昇し、12年8月以来の大幅な伸びとなった。3月は2.2%上昇していた。食品は0.2%上昇と、3月の0.2%下落からプラスへ転じた。

コアCPIは家賃と医療費や交通費の上昇が押し上げた。帰属家賃は0.3%上昇。3月は0.2%上昇だった。

医療費は0.3%上昇と、3月の0.1%上昇から伸びが拡大した。処方せん薬は0.7%と大幅に値上がりした。病院費は0.3%上昇した。

一方、新車は0.3%下落した。衣料と中古車は2カ月連続でマイナスとなった。

*内容を追加して再送します。

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