世界経済の下振れリスク強まる、各国の対策必要=IMF専務理事

2016年4月6日(水)01時33分

[フランクフルト 5日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は5日、フランクフルトで講演し、世界経済は断固たる措置を取らなければ、下振れリスクが強まると表明、各国に対応を求めた。

中国による内需主導型経済への移行や長引く資源安、一部の国で見られる金融状況の引き締まりが先行きの不透明感を高めているとした。

専務理事は、2007━09年の金融危機からの回復が「依然として遅すぎ、脆弱すぎ、耐久力に対するリスクが強まっている」と指摘。

「危機的な状況ではないが、警戒している。成長の勢いがそがれている」としたうえで「政策当局者が課題と向き合い、ともに行動すれば、グローバルな心理とグローバル経済に大きな好影響を与えることができる」と述べた。

米国には最低賃金の引き上げ、欧州には職業訓練の改善、新興国には燃料補助金の削減と社会保障費の拡大が必要だとしている。

また「世界経済の見通しは過去半年で一段と弱まった」とし、IMFが来週、世界経済見通しを下方修正する可能性を示唆した。

専務理事は世界経済がこうした逆風に立ち向かう手段として、構造改革の加速、財政支援の拡大、金融緩和の継続を求めた。

米国については、最低賃金の引き上げや、ワーキングプア世帯への税額控除拡大、家族休暇の改善が、労働力の増加に寄与する可能性があると指摘。

欧州については、若者の失業を減らすため、職業訓練の改善や雇用のミスマッチへの対応が必要だと述べた。優遇税制を通じた研究開発投資の促進や公共投資の拡大も重要との認識も示した。

公的債務や借り入れの多い国に対しては、一段の財政健全化が必要と主張。ただ、ギリシャ支援策については触れなかった。

*内容を追加して再送します。

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