米2月コアCPIは予想上回る0.3%上昇、FRB引き締め路線堅持の公算

2016年3月17日(木)02時11分

[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省が16日発表した2月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)によると、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIが0.3%上昇し、市場予想の0.2%上昇を上回った。

物価上昇が確認されたことで、米連邦準備理事会(FRB)が示している年内は緩やかに金利を引き上げていくとの方針は振れない公算が高まった。

1月も0.3%上昇だった。家賃や医療費の値上がりが続いたことが影響した。米連邦準備理事会(FRB)による緩やかな利上げを後押しする可能性がある。

コアCPIの前年同月比は2.3%の上昇で、1月の2.2%上昇から伸びが加速した。2012年5月以来の大幅な上昇となった。市場予想は2.2%上昇だった。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズ(ペンシルバニア州)の首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は、「今回の統計で物価圧力が皆無との状態は過去のものになったことが確認された」とし、「FRBは利上げが近いことを容易に示唆できるようになった。こうした示唆は予想より早い時期に来る可能性がある」と述べた。

2月のコアCPIの内訳は、家賃が2カ月連続で0.3%上昇した。医療費は2カ月連続で0.5%上昇。処方せん薬は0.9%、病院費は0.5%それぞれ値上がりした。

衣類は1.6%上昇し、09年2月以来の大幅な値上がりとなった。企業が積み上がった在庫を解消するために大幅なセールを実施していることを考えると、衣類が2カ月連続で値上がりしたことは意外だ。

新車や中古車、トラックも値上がりした。

一方、ガソリンが13.0%下落し、コアCPIの伸びや食品(0.2%上昇)の値上がりを相殺した。結果として、全体のCPIは前月比0.2%下落となった。1月は横ばいだった。

CPIの前年同月比は1.0%上昇と、1月の1.4%上昇から伸びが鈍化した。

16日午後には2日間にわたって開かれていた米連邦公開市場委員会(FOMC)が終了する。FRBは金利を据え置くとみられている。ただ、物価に上昇圧力がかかっていることや、住宅部門の底堅さ、雇用市場の引き締まりは、FRBが6月に利上げする確率を高めている。

FRBは2%の物価上昇目標を掲げているが、その基準となる個人消費支出(PCE)価格指数は上昇している。

FRBは昨年12月、9年半ぶりに政策金利を引き上げた。

*内容を追加します。

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