ドル下落、原油大幅高で資源国通貨に買い=NY市場

2016年3月8日(火)07時56分

[ニューヨーク 7日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。大幅な原油高で資源価格下落による世界経済減速の懸念が和らぎ、ユーロや資源国通貨が買われた。

原油市場だけでなく、産業用金属市場でも年初来すでに約20%値上がりしている鉄鉱石などの金属価格が上昇し、リスク選好地合いが高まるなかで資源国通貨などのリスク資産がドルに対して買われた。

中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で経済政策担当閣僚が6日、中国経済はハードランディングに向かっていないと発言。

野村セキュリティーズ(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、チャールズ・セント・アーノード氏は「中国経済に対する見方はあまりにも弱気に傾いていたが、足元では、その見直しが行われているところだ」とみている。

資源国通貨である豪ドル/米ドルは終盤0.4%高の0.7473ドル。カナダドルも買われ、ドル/カナダドルは終盤の取引で1.3289カナダドルとなっている。

ドルの主要6通貨に対するドル指数は、直近0.2%安の97.132。

ドルは先週4日、2月の米雇用統計で平均時給が前月比0.1%低下したことが一部市場参加者の失望を誘い下落したが、非農業部門雇用者数が前月比24万2000人増と前月の17万2000人増や市場予想の19万人増を上回ったことを再評価する動きやユーロ安で、7日には0.4%高の水準に持ち直していた。

ユーロ/ドルは終盤、0.1%高の1.1008ドルでの取引となっている。ユーロは、欧州中央銀行(ECB)が10日の理事会で追加緩和に踏み切るとの思惑で弱含んだ。

みずほコーポレート・バンク(ニューヨーク)の通貨ストラテジストは「ECBが繰り出す次の政策について市場の期待感は大きい」とみている。

ECBは預金金利のマイナス幅拡大や1兆1000億ユーロの債券買い取り枠拡大などを決定するとみられているが、昨年12月の政策決定が市場の失望を誘う内容だったため、ユーロ売りをさらに進める動きにはなっていない。

野村セキュリティーズのセント・アーノード氏は、ユーロや、豪ドルなどの資源国通貨はドルに対してやや回復しているものの、原油や金属価格はいずれ上昇の勢いをなくすとみられることから、長続きしないと見込んでいる。

ドル/円 NY時間終値 113.38/113.41

前営業日終値 113.86

ユーロ/ドル NY時間終値 1.1012/1.1019

前営業日終値 1.1011

*内容を追加します。

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