ドル対ユーロで下落、早期の米利上げ観測後退=NY外為

2016年3月5日(土)10時11分

[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが対ユーロで一時、1週間ぶりの安値をつけた。週間でも3週間ぶりに下落する見通しだ。

2月の米雇用統計で時間当たり賃金が減少、連邦準備理事会(FRB)は利上げを急がないとの見方が広がった。

雇用統計は、非農業部門雇用者数が24万2000人の大幅増となった。これを受け、ドルは上昇したが間もなく下落に転じ、ユーロ/ドルが1ユーロ=1.1042ドルの高値をつける場面があった。直近では0.37%高の1.0995ドル。

アナリストらは、米賃金の減少はインフレが抑制され続けていることを示したと指摘。FRB当局者らは、利上げ時期の検討に際し、インフレ動向を注視している。

メルク・インベストメンツのアクセル・メルク社長は「FRBが(利上げを)もう少し待っても問題はないとの見通しを、弱い賃金指標は明らかに示す」と話した。

ユーロ相場は、10日の欧州中央銀行(ECB)追加緩和予想を織り込んだとの見方から、雇用統計発表前に1週間ぶりの高値をつけていた。統計発表後も、こうした見方を追い風に再び上昇した。

アナリストらによると、一部トレーダーは、ECBが昨年12月に公表した刺激策が失望を誘い、ユーロを急いで買い戻す事態に追い込まれている。

このため、10日のECB理事会を前に、ユーロを買い戻す動きが出たことも、ユーロ相場を押し上げた。

主要6通貨に対するドル指数はは一時、2週間ぶり安値付近の97.019をつけた。直近では0.24%安の97.361。

ドル/円は午後の取引で上昇に転じ、一時114.25円の高値をつけた。リスク選好が高まったためとの指摘も出ている。

米雇用統計発表後、ドルは対スイスフランで1週間ぶり安値の0.9881フランを記録後上昇、直近で0.24%高の0.9944フラン。

*写真を追加しました。

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