米第4四半期の労働生産性2.2%低下、速報値から上方修正

2016年3月4日(金)01時11分

[ワシントン 3日 ロイター] - 米労働省が3日発表した昨年第4・四半期の非農業部門の労働生産性(改定値)は年率換算で前期比2.2%低下し、速報値の3.0%低下から上方修正された。依然として2014年第1・四半期以来の大幅なマイナスだった。

市場は3.2%低下を予想していた。

第3・四半期は2.0%上昇していた。15年通年では前年比0.7%上昇にとどまり、13年以来の小幅な伸びとなった。

労働生産性の低下は、第4・四半期に国内総生産(GDP)が減速する一方、採用のペースは加速したことを反映している。

第4・四半期GDPは前期比1.0%増だった。第3・四半期の2.0%増から減速した。一方、非農業部門の雇用者数は月平均で27万9000人の伸びとなっていた。

労働生産性は過去5年間、どの年も年率で1.0%未満の伸びとなっている。07━15年の平均は1.2%だった。ともに1947-2015年の長期的な平均である2.2%を大幅に下回っている。

労働生産性が低い中で、企業は生産拡大のためにより多くの労働者を採用し、雇用は拡大した。ただ生産性の弱さが続けば、米国の生活水準は切り下がることになる。生産性の低下は米国の潜在成長率を顕著に押し下げた。

エコノミストらは投資不足が前例のない資本集約度の低さにつながり、労働生産性の向上を妨げているとみている。生産性の計測の仕方が、特にIT分野で、間違っていると指摘する者もいる。

第4・四半期は労働時間が前期比で3.2%増えた。速報値の3.3%増から改定された。

生産単位当たりの報酬を示す単位労働コストは3.3%増と、速報値の4.5%増から下方修正された。第3・四半期は0.4%増、2015年の通年は前年比2.1%増だった。

高い労働コストが続けば企業の利益が圧迫される可能性があるが、今のところは緩やかな増加にとどまっている。

時間当たりの労働報酬は前期比1.1%増と、速報値の1.3%増から改定された。15年通年では2.8%増加した。

*写真を差し替えて再送します。

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