米12月卸売在庫0.1%減、3カ月連続のマイナス 売上高は0.3%減
2016年2月10日(水)01時18分
[ワシントン 9日 ロイター] - 米商務省が9日発表した昨年12月の卸売在庫高は前月比0.1%減と、3カ月連続でマイナスとなった。引き続き企業は売れ残った商品の在庫解消に動いたとみられる。第4・四半期の国内総生産(GDP)改定値がやや下方修正される可能性を示唆している。
市場は0.2%減を見込んでいた。11月の数字は当初発表の0.3%減から0.4%減へと修正された。
在庫はGDPを構成する重要な要素となる。GDP算出に使われる自動車を除く卸売在庫は0.2%減った。
12月の卸売在庫のデータは、先月発表の第4・四半期GDP速報値の算出に使われた推計よりも若干弱かった。GDP速報値における在庫の寄与度はマイナス0.45ポイントで、GDPは年率換算で0.7%増にとどまった。
1日に発表された昨年12月の建設支出が弱含んだこともあり、エコノミストらは今月下旬に発表されるGDP改定値は少なくとも0.2%ポイント下方修正されて0.5%増になるとみている。
在庫は昨年前半に過去最高値を記録した。需要を上回る生産が続き、商品が売れ残ったことから、在庫の積み増しが止まり、製造業の重しとなった。
ただ、在庫解消の動きに終わりが見えてきたことを示す兆しもある。先週4日に発表された製造業の在庫は半年ぶりに増加に転じた。
同時に発表された12月の卸売売上高は前月比0.3%減だった。11月は1.3%減だった。
この売り上げのペースで在庫を使い切るまでの期間(在庫に対する売上高の比率)は前月から横ばいの1.32カ月。比率は高い水準にあり、しばらくは在庫解消の動きが続く可能性を示唆している。
- 1/1