ドル下落、FRBの利上げペース鈍るとの見方=NY市場

2016年2月2日(火)07時35分

[ニューヨーク 1日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。日銀が追加緩和策を打ち出す一方、米経済指標は弱く、今年の米連邦準備理事会(FRB)の利上げは想定したペースよりも緩やかになるとの見方が広がった。

先週29日、日銀による予想外のマイナス金利政策導入発表を受けてドル/円は2%急騰し約6週間ぶり高値の121.70円を付けたが、その後は徐々に値を下げこの日の安値となる120.67円に下落、終盤の取引では0.06%安の121.07円となっている。

ユーロ/ドルは終盤0.62%高の1.0898ドル。先週29日に1.0810ドルに下落後、この日は1.0913ドルの高値まで戻した。

アナリストによれば、日銀決定会合後の動きが沈静化して円が買い戻され、FRBのスタンスがよりハト派的になるとの見通しでユーロが買われた。日銀の決定で、FRBが昨年12月に想定した今年4回の利上げペースが鈍ると見るアナリストもいる。

ドイツ銀行(ニューヨーク)通貨ストラテジスト、セバッシャン・ゲーリー氏は「一般的に言ってFRBの次の決定がどうなるかという点で、市場の見方はハト派的方向に移りつつある」と述べた。

ゲーリー氏はまた、FRBのフィッシャー副議長によるこの日の発言がFRBの利上げペースが緩やかになるとの市場参加者の見方を裏付けたと見る。

フィッシャー副議長は講演で、金融市場の変動が収まらないと世界経済の減速の兆候が示唆され、低インフレに悩む米経済に打撃となるとの認識を示した。

この日発表された1月の米供給管理協会(ISM)製造業景気指数は48.2となり、4カ月連続で節目の50.0を下回った。米経済指標がさえないことで、ドルが売られていると見るアナリストもいる。

オアンダ(トロント)のチーフ通貨ストラテジスト、ディーン・ポップルウェル氏はISM指数を含む製造業の指標の弱さやインフレ率の低さを指摘。「FRBの今年想定される4度の利上げについて、市場は基本的に排除している」と語った。

ドルの主要6通貨に対するドル指数は、直近0.62%安の98.989だった。

ドル/円 NY時間終値 120.99/121.02

前営業日終値 121.07

ユーロ/ドル NY時間終値 1.0889/1.0893

前営業日終値 1.0833

*内容を追加しました。

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