インタビュー:甘利氏の金銭疑惑、政権への影響大きい=民主幹事長
[東京 25日 ロイター] - 民主党の枝野幸男幹事長は25日、ロイターのインタビューに応じ、週刊誌が報じた甘利明経済財政担当相の金銭問題は手続きミスのような案件とは性質が異なると指摘、安倍晋三内閣の中枢を担う同氏の重要性を考えると、「政権に与える影響は大きい」と語った。
一方、衆参同日選の可能性については、2016年度当初予算が成立する3月末以降は「衆院をいつ解散してもおかしくないというつもりで備える」姿勢を示した。
金銭問題について甘利氏は28日までに調査結果を報告するとしているが、枝野幹事長は報道通りであれば「ダイレクトなあっせん利得」であり、「(金銭授受が)事実なら完全にアウト」と厳しく批判した。
一方、衆参同日選に関しては、前回の衆院選からそれほど時間がたっていないことなどを踏まえると、「衆院解散は常識では考えられない」と述べた。ただ、首相が16年度予算成立以降に解散に踏み切る可能性もあるとし、参院選の前に衆院選が行われる展開も想定していることを明らかにした。
枝野幹事長はまた、アベノミクスについても批判を展開した。日銀の異次元緩和で国債の金利は低水準で推移しているが、金利急騰局面では財政の悪化など問題が表面化すると指摘。将来に大きなツケを残していることは間違いないとし、「今の状況をどう脱出するのかという画すら描けていない」と語った。
依然デフレ脱却が未達成である中、株価だけが上がっている状況は「バブルそのもの」と述べ、リスク資産への投資を増やした年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)改革は、バブルがはじけた際に年金財政を揺るがしかねないとの懸念を示した。
安倍政権は経済の好循環を確実なものとするため、民間企業にさらなる賃上げや設備投資を求めている。枝野幹事長は、デフレ脱却にはまず個人消費の回復が不可欠との見方を示し、政府が直接民間企業に投資を求めるのは「資本主義的ではない」と語った。
(梅川崇、竹中清)
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