米輸入物価が石油中心に大幅下落、低インフレ環境続く

2016年1月15日(金)01時17分

[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した12月の輸入物価指数は前月比1.2%下落し、昨年8月以来の大きな落ち込みとなった。下落は6カ月連続。市場予想は1.4%下落だった。石油を含む広範な品目が値下がりしており、低インフレ環境はしばらく続きそうだ。

11月の数字は当初発表の0.4%下落から0.5%下落に修正された。

輸入価格はここ18カ月のうち16カ月マイナスとなっており、消費財の価格を押し下げると見込まれる。

2015年通年は前年比8.2%の下落。年間ベースで08年以来の大きなマイナスとなった。

12月は石油・石油製品が前月比10.0%下がり、昨年8月以来の大きな落ち込みとなった。11月は3.6%の下落だった。石油を除いた輸入物価は0.4%下がった。11月は0.3%の下落だった。

食品は2カ月連続で0.1%の下落。石油を除く産業用資材は1.4%下がった。

資本財は0.3%、自動車・同部品は0.1%下落した。

ドルは米国の主な貿易相手国の通貨に対して、過去20カ月で21.7%値上がりしている。ドル高に加えて、急激な原油安も輸入価格を押し下げており、物価全体の重しとなっている。インフレ率は米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%を大幅に下回っている。

ドル高傾向が続き、原油価格も12年ぶりの安値水準に落ち込む中で、物価圧力はしばらく弱いままで推移すると見込まれる。

エコノミストらは、雇用市場は引き締まっているものの、弱含む物価と内外の経済成長の鈍化を勘案すると、FRBは3月の政策決定会合でも利上げすることに慎重になるのではないかとみている。

FRBは先月、9年半ぶりに利上げに踏み切り、政策金利を0.25%引き上げて0.25-0.50%とした。

14日に同時発表された輸出物価は、前月比で1.1%下がった。11月は0.7%の下落だった。15年の通年は6.5%下落し、1983年の統計開始以来の大幅なマイナスとなった。

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