米利上げペース、経済減速で想定下回る可能性=ボストン連銀総裁
[ボストン 13日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、海外および国内経済の減速により、米連邦準備理事会(FRB)は現在の想定よりも緩やかなペースで利上げを余儀なくされる可能性があるとの認識を示した。講演で述べた。
今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ総裁は、中国株急落や原油安などが「世界経済の成長が著しく鈍化しているとの懸念を強める」と指摘。年末時点の米経済成長見通しは、減速している可能性が高まっていると述べた。
その上で、継続的なインフレ指標の弱さもあわせ、FRBは昨年12月時点で4度を想定していた年内の利上げペースを緩める必要に迫られる可能性があるとした。
金融緩和が継続している日本やユーロ圏と比較して、米国は成長サイクルの次元が異なることも、米金融当局者にとって課題になっていると指摘。金融政策は目先の一時的な変動に過剰反応すべきではないとしながらも、「政策担当者は経済見通しに対する下振れリスクを真剣に受け止め、適切な金利軌道を検討するにあたりこうしたリスクを管理する必要がある」と述べた。
また「そうした下振れリスクは、米国の主要貿易相手国の多くでみられるぜい弱性を起点とした、経済の継続的な逆風を反映している」とした。
10年ぶりとなった昨年末の利上げは「問題なく」行なわれたとの認識を示したが、2回目の利上げは厳しい試練に直面するとした。
その上で「さらなる利上げには、インフレ率が2%の目標に戻るとの自信をFRB当局者が持てるよう、米経済が引き続き潜在成長率か、これを上回るほど十分力強いことを示すデータが必要」とした。
質疑応答では、FRBの行動をめぐる市場の予想に当局者は間違いなく目を向けるが「市場がFRBの行動を決定することはない」と釘を刺した。またFRBの予想は時として誰も想定していなかったイベントによって覆ることがあるとし、「ドルや商品(コモディティ)価格の動きはわれわれの想定の範囲外だった」と述べた。
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