ドル上昇継続、金融市場に落ち着き=NY市場

2016年1月13日(水)07時57分

[ニューヨーク 12日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが3営業日連続で上昇した。米株式市場が上昇し、金融市場が落ち着きを取り戻すなか、低金利通貨の円やユーロを売って高金利通貨を買う動きが強まった。

オフショア市場の中国人民元相場は底堅かった。一方、ポンドは弱い内容の英鉱工業生産を受けて売られた。

終盤のドルの主要6通貨に対するドル指数は、0.3%高の98.996。ユーロ/ドルは、0.1%安の1.0851ドルだった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチーフ・マーケットアナリスト、オマー・エシナー氏は「一般的に言って世界の金融市場が安定すれば、それはドルにとって良い兆候だ。FRB(米連邦準備理事会)が、今年4度の利上げを行えそうだという市場の期待に沿うことができる状況が作られるからだ」と述べた。

ただ、米国株は上昇したしたものの、投資家は慎重な姿勢を崩していない。市場の注目は引き続き中国の人民元と原油価格の動向に集まっている。米WTI原油先物(2月限)は続落し、一時は30ドルの大台も割り込んだ。

オフショアの人民元相場は底堅かった。この日、香港のオフショア人民元のインプライド翌日物預金金利が過去最高の94%に達し、中国本土外で人民元の需給が極めてタイトになっていることが示された。

2014年初頭から人民元を売り持ちにしてきたオムニ・パートナ-ズ・マクロ・ファンド(ロンドン)の戦略部門責任者、クリス・モリソン氏は「人民元の取引が急激に関心を集めるようになった。先週は人民元に関して1日50通のEメールを受け取り、それが人民元のポジションを減らす短期的な根拠となった」と話した。

ポンド/ドルは終盤の取引で、0.8%安の1.4439ドル。11月の英鉱工業生産が前月比0.7%減となり、2013年1月以来の大幅減少だったことを受け、ポンド/ドルは約5年半ぶりの安値に下落した。

INGは最新の調査ノートで「リスク回避の動きが急速に強まったことが、足元のポンド安の主因だ。英国の経常収支は赤字額が大きく、リスク回避の動きが強まればポンドは主要通貨の中で最も売り圧力にさらされやすい通貨の1つだということだ」と指摘している。

ドル/円 NY時間終値 117.73/117.74

前営業日終値 117.70

ユーロ/ドル NY時間終値 1.0853/1.0857

前営業日終値 1.0854

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