11月米鉱工業生産、3年半ぶりの大幅落ち込み

2015年12月17日(木)02時01分

[ワシントン 16日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が16日発表した11月の米鉱工業生産指数は前月比0.6%低下し、3カ月連続のマイナスとなった。2012年3月以来の大きな低下だった。

市場は0.1%の低下を予想していた。10月の数字は当初発表の0.2%低下から0.4%低下に下方修正された。

スタンダード・チャータード銀行(ニューヨーク)の米国担当エコノミスト、トーマス・コスターグ氏は「製造業部門に対する向かい風はなお強いが、FRBは現時点では個人消費と住宅関連の指標が力強く推移していることに注目している。このことは、FRBがこの日の会合で利上げを決定する公算が大きいことを示している」と述べた。

11月は電力・ガスが4.3%低下し、全体水準を押し下げた。天候が穏やかで暖房の使用が少なかったとみられる。

鉱業は1.1%低下。前年同月比は8.2%低下だった。

製造業は横ばい。非耐久財のうち食品・飲料・タバコ製品などが伸び、全体を下支えした。市場は0.1%上昇を予想していた。

耐久財は0.2%低下。電気機器や自動車の落ち込みが目立った。

鉱工業部門にとって、世界的な成長鈍化や1次産品の値下がり、ドル高で米国からの輸出品が割高となっていることが重しとなっている。

生産の落ち込みを反映し、設備稼働率は77.0%となり、10月の77.5%から低下した。FRB当局者は、インフレを加速させずに経済活動を拡大させる上で、設備稼働率の動向に注目している。

この日はFRBが2日間の会合を終える。雇用の引き締まりと底堅い国内需要を背景に、9年半ぶりに利上げに踏み切るとの見方が大勢だ。

*内容を追加して再送します。

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