米利上げで新興国の差拡大、メキシコ・韓国底堅い=テンプルトン
2015年12月9日(水)01時02分
[ロンドン 8日 ロイター] - 米フランクリン・テンプルトンの著名債券投資家、マイケル・ハッセンスタブ氏は、米利上げは来年、新興国間の格差を拡大させることになるとの見方を示した。
テンプルトン・グローバル・マクロの最高投資責任者(CIO)を務める同氏は「メキシコや韓国、マレーシアなどの国は、米利上げにも底堅さを見せる」とし、ファンダメンタルズが比較的力強いため、米連邦準備理事会(FRB)と同時、または直後に利上げする態勢を整えていると指摘した。
一方で、トルコや南アフリカなど、ファンダメンタルズがぜい弱な国は米利上げにより悪影響を受けるだろうと見通した。
ただ新興国全体が「システミック危機」に陥るとの懸念は行き過ぎとし、大半の新興国で支払い能力に関する問題は起こらないと予想する。
中国経済については、調整が継続し、現在の成長ペースの範囲内で推移するとし、「ハードランディングに向かっているとは思わない」と述べた。
また2016年に世界経済がリセッション(景気後退)やデフレに陥るとは想定していないとし、同氏のファンドは米国債利回りの上昇、および一部の新興国通貨の上昇に備えたポジションを形成しているとした。またユーロ、円は一段安の展開を予想している。
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