11月米雇用者数は21.1万人増・失業率5%、12月利上げに道開く
[ワシントン 4日 ロイター] - 米労働省が発表した11月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が21万1000人増と、市場予想の20万人増を上回る伸びとなった。米経済の底堅さをあらためて示し、12月利上げに道を開いた。
9、10月分は3万5000人の上方修正となった。
失業率は7年半ぶりの低水準となる5.0%で変わらずだった。
失業率は市場予想と一致し、多くの米連邦準備理事会(FRB)当局者が完全雇用とみなす水準を維持した。
時間当たり賃金は前月比0.2%増と、10月の0.4%増から伸びが鈍化したものの、エコノミストは10月の大幅増の反動との見方を示す。実際、雇用関連コストに関する指標などは、労働市場が引き締まるにつれ、賃金への上方圧力が高まりつつあることを示している。時間当たり賃金は前年比では2.3%増となった。前月は2.5%増だった。
平均週間労働時間は34.5時間と、前月の34.6時間から減少した。
FRBが注目する労働参加率は62.5%と、約38年ぶりの低水準をつけていた前月の62.4%から上昇した。
不本意なパートタイム就業者や求職断念者も含めた広義のU6失業率は0.1%ポイント上昇し、9.9%となった。
エバーバンク・ワールド・マーケッツのクリス・ガフニー社長は「利上げに向けた最後のハードルをクリアした」と言明。FRBが注目する賃金の伸びもそこそこの内容になったとし、「今回の雇用統計にはFRBが利上げを見送るような材料はまったく存在しない」と述べた。
CMEグループのフェドウォッチによると、米短期金利先物市場では米雇用統計の発表を受け、12月の利上げ確率を79.1%織り込む水準となった。ドルは主要通貨バスケットに対し上昇。米株価は小高く寄り付き、国債価格は下落した。
雇用は幅広い業種で拡大し、建設は4万6000人増。サービスは16万3000人増、小売は3万0700人増となった。輸送・保管も6400人増と、3カ月ぶりに増加に転じた。専門職は2万7000人増、政府も1万4000人増となった。
一方、製造業は1000人減、鉱業は1万1000人減となった。製造業部門ではドル高の逆風に加え、在庫縮小に向けた動きや、エネルギー企業の探査・掘削支出抑制などが響いている。鉱業セクターの雇用者数は2014年12月のピークから12万3000人減少した。
イエレンFRB議長は3日、上下両院経済合同委員会で証言し、事実上のゼロ金利を「解除すべき時期に近い」可能性があるとの認識を示したほか、毎月10万人弱の雇用ペースを確保できれば、労働力への新規参入者を吸収できるとの認識を示した。
12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は15、16日に開催される。
*内容を追加して再送します。
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