三菱・みずほ傘下銀、郵政株1600億円を販売 「貯蓄から投資」期待

2015年11月11日(水)17時25分

[東京 11日 ロイター] - 日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の郵政3社上場で、三菱UFJフィナンシャル・グループとみずほフィナンシャルグループの大手金融グループ2社が、傘下銀行を通じて郵政3社株を計1600億円販売したことがわかった。銀行預金に滞留するマネーが郵政上場をきっかけに動き始めれば、「貯蓄から投資」の動きに弾みがつきそうだ。

郵政3社は、今月4日の新規株式公開(IPO)で計1兆4362億円を売り出した。

このうち三菱UFJモルガン・スタンレー証券とみずほ証券による郵政3社の引き受け金額は、それぞれ2870億円と1120億円。傘下銀行を通じた販売額は三菱東京UFJ銀行が約1200億円(引受額の41%)、みずほ銀行は406億円(同36%)と、当初目標をともに2、3割程度上回ったもようだ。

大手銀行グループ3社のうち、三菱UFJとみずほは郵政グループの新規上場株を銀行経由で販売する「金融商品仲介機能」を活用した。三菱はこれまで日本航空やリクルートなどの新規上場でも販売してきた実績がある。今回、みずほは郵政グループ株式で初めて取り扱った。

郵政人気を背景に、三菱UFJモルガン証券では、7─9月に新規口座、NISA(少額投資非課税制度)口座の開設数がそれぞれ前年より約3倍に跳ね上がったほか、みずほ証券は10月の新規口座が2万3479件と、月平均の3倍強に膨らんだという。

家計の金融資産は預金に偏っている。日銀の資金循環統計によると、家計の金融資産1717兆円(15年6月末)のうち「現金・預金」は893兆円と過半に上り、「株式・出資金」は182兆円と、なお1割程度にすぎない。

郵政人気は上場後も続いており、今後も、堅調な値動きを見込む声が多い。市場では、郵政上場をきっかけに「国策である『貯蓄から投資』の流れが強まり、新たな投資家層の開拓につながる」(いちよしアセットマネジメント・執行役員の秋野充成氏)と期待されている。

*内容を追加します。

(杉山容俊 編集:田巻一彦)

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