米輸入物価予想以上の落ち込み、ドル高下押し圧力に

2015年11月11日(水)01時10分

[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が10日発表した10月の輸入物価指数は前月比0.5%下落で、市場予想の0.1%下落を上回る落ち込みとなった。9月は当初発表の0.1%下落から0.6%下落に修正された。

石油をはじめとする幅広い項目で価格が下落しており、ドル高や世界的な需要の弱含みが輸入物価に下押し圧力を及ぼし続けていることを示している。

輸入物価は過去16カ月のうち14カ月で下落している。

前年同月比は10.5%の下落だった。ドル高と原油価格の急落が重しとなり、インフレ率は連邦準備理事会(FRB)が目標としている2%を下回り続けている。

ただ、物価上昇圧力の弱さは、FRBによる12月の利上げの阻止することにはならないとみられる。10月の雇用統計は、失業率が5.0%と7年半ぶりの低い水準に改善した。労働市場が引き締まってきたことで、FRBは2%目標に向けて物価が緩やかに上昇していくとの自信を強めるとみられる。

10日にロイター通信が80人のエコノミストに対して実施したアンケート調査によると、FRBが12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切る確率は中央値で70%となった。

統計発表を受けて、主要通貨に対するドル指数は7カ月ぶりの高値に上昇した。一方、米国債は売られ、それまでの値上がり幅を縮小した。

10月は石油が前月比2.1%下落した。9月は6.0%の値下がりだった。

石油を除いた輸入物価は0.4%下落で、今年1月以来の大きな落ち込みとなった。9月は0.2%の値下がりだった。昨年の6月以降、ドルが米国の主要貿易相手国の通貨に対して16.6%上昇したことを反映している。

食品は1.0%下落で、こちらも今年1月以来の大きな値下がりだった。9月は0.7%下落だった。産業用資材は1.4%の下落。9月は2.9%の値下がりだった。

輸入資本財は0.1%下がった。自動車は0.3%の下落で今年2月以来の大きな落ち込みだった。

輸出物価は0.2%の値下がりだった。9月は0.6%の値下がりだった。輸出物価は前年同月比では6.7%下落した。

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