米ビザが元子会社ビザ・ヨーロッパを買収へ、最大212億ユーロ
2015年11月2日(月)23時19分
[ 2日 ロイター] - 米クレジットカード大手のビザは2日、元子会社のビザ・ヨーロッパを、最大212億ユーロ(233億4000万ドル)で買収すると発表した。
ビザはまず165億ユーロを支払う。その後、買収完了から4年後の売上高目標の達成に応じ、最大47億ドルを支払う可能性がある。
165億ユーロには現金115億ユーロと、ビザのクラスA株に転換可能な優先株50億ユーロが含まれる。
ビザは150億─160億ドル相当の無担保シニア債を発行し、買収の現金部分に充てる。さらに、優先株発行の影響を相殺するため、2016─17年にクラスA普通株買いを実施する。
売却益は、ビザ・ヨーロッパの決済ネットワークを保有する3000以上の欧州金融機関や決済会社に分配され、英銀バークレイズが最大の恩恵を受けるとみられている。関係筋によると、バークレイズは現金や株式などを含め最大12億ユーロを受け取る可能性がある。
バークレイズは声明で、買収が来年に完了した段階で、買収の現金部分から約4億ポンド(6億1860万ドル)の税引き前利益を獲得する見通しとした。
ビザは同日、第4・四半期(7─9月)決算も発表。純利益は15億1000万ドル(クラスA株希薄化後1株当たり0.62ドル)と、前年同期の10億7000万ドル(同0.43ドル)から増加した。
ただ、1株利益はトムソン・ロイター・エスティメーツのまとめたアナリスト予想の0.63ドルには届かなかった。
新たに50億ドルの自社株買いを実施する方針を示したほか、四半期配当を17%引き上げる計画を発表した。
米株式市場寄り付き前の取引で、ビザの株価は1.3%下落した。
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