訂正-福島原発の汚染水問題、東京五輪には「十分めど」=所長

2015年10月14日(水)10時38分

[大熊町(福島県) 9日 ロイター] - 東京電力福島第1原発の小野明所長は9日、廃炉作業の障害となっている汚染水問題について、建屋周辺の地下水をくみ上げる作業を始めたことなどにより「リスク低減にめどがついた」と述べた。2020年の東京五輪までに「汚染水対策のめどは十分つけられる」という。同原発内でロイターなど外国報道機関の取材に応じた。

<汚染水抑制へ複数の作戦>

小野氏は、ストロンチウムなどの放射性物質を含む高濃度の汚染水について、「5月末に全量処理をできたことが大きな出来事」と強調。「汚染水の発生量を減らすことが次の課題」と述べた。

福島第1では地下水が原子炉建屋に1日約300トン流入し、汚染水が日々増加する原因となっている。

9月上旬には、建屋の周囲約40カ所に掘った井戸から地下水をくみ上げ、浄化処理して海に放出する「サブドレイン計画」を開始。東電は、この作戦をフル稼働させることにより建屋への流入量を半分に減らす計画だ。

また、1─4号機建屋を凍土の壁で囲み、地下水の流入を減らす対策を加えることで、2016年度中に建屋への地下水の流入量を日量100トン未満に減らすとしている。

建屋前面の護岸部分にも約600メートルの遮水壁を完成させ、港湾側に汚染水が漏れ出すことがないよう対策を講じた。小野氏は「遮水壁の完成で(汚染水を海に)出さない」と述べた。

<デブリ取り出し、情報収集の段階>

一方、30─40年かかるとされる廃炉作業における最大の難関が溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しだ。小野氏は「デブリがどういう状況にあるか、情報を得ることが大事」と指摘。

3号機の格納容器内に今月カメラを入れる(訂正)と説明した。

*最終段落の記述を訂正しました。

(浜田健太郎)

  • 1/1

今、あなたにオススメ

今、あなたにオススメ