景気対策、必要かどうか10月中に前倒しして判断=政府筋

2015年10月2日(金)19時58分

[東京 2日 ロイター] - 政府は、経済対策が必要になるかどうか10月中に判断する方向となった。政府筋が2日、明らかにした。日本を取り巻く経済情勢が急速に厳しさを増し、11月16日発表の7─9月期国内総生産(GDP)を見てから判断するという従来の予定を大幅に前倒しする。

場合によっては秋の臨時国会で補正予算を審議する可能性にも言及した。

政府筋は、経済対策取りまとめの判断時期について「11月まで待っていると遅いかもしれない」と語り、経済指標の大枠が出そろう10月中に「準備にかかる可能性がある」との見解を示した。

また、経済情勢次第では「緊急経済対策に伴う補正予算は、例年なら来年1月の通常国会となるが、前倒しした方がよいとの判断になる可能性もある」とした。

そのうえで、経済対策について「あまりゆっくりもしていられない。状況は厳しい」と語った。

足元の景気情勢に関して、政府筋は中国経済の減速や資源価格の下落、北欧数カ国で利下げに踏み切ったが金利情勢に変化が認められない状況などを挙げ、「世界的に相当デフレ圧力が強まっている」とも指摘。「国内の基盤は良いが、海外要因で国内(経済)が悪くなっている。海外のデフレは必ず連動してくる」と警戒感を示した。

一方、日銀の追加緩和の是非については「日銀が判断すること」と述べるにとどめた。追加緩和による円安加速リスクに関しても「コメントできない」としたが、1ドル120円前後で推移する現状の為替相場については「コンファタブル(居心地が良い)」と答えた。

(吉川裕子 リンダ・シーグ 編集:田巻一彦)

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