カナダが景気後退入り、原油安響く
2015年9月2日(水)01時07分
[オタワ 1日 ロイター] - カナダ統計局が1日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で前期比0.5%減と、2期連続のマイナス成長となった。原油価格下落を受け企業の設備投資が減少したことが響き、2008─09年の金融危機以降で初めて景気後退に陥った。
第2・四半期は市場予想の1.0%減ほどは落ち込まなかった。一方で、第1・四半期は0.8%減へ下方修正された。
GDPの2期連続マイナス成長は一般的に景気後退と定義されている。カナダ銀行(中央銀行)は景気下支えのため今年に入って2回利下げしている。
第2・四半期GDPの内訳は、設備投資が年率換算で7.9%減った。住宅以外の設備や機械、機器への支出減が全体を押し下げた。企業在庫は49億1000万カナダドル(37億4000万ドル)減った。
業種別では製造業が2.0%減。鉱業や採石業、石油・ガス採掘が4.5%落ち込んだことが響いた。
一方で6月の経済活動は0.5%増と市場予想の0.2%増を上回った。6カ月ぶりのプラスで、第2・四半期の終盤にかけてカナダ経済が持ち直し始めたことを示唆した。景気後退は長くは続かず、第3・四半期はプラス成長に転じるとの市場の見方と一致する内容となった。
トロント・ドミニオン銀行の副首席エコノミスト、デレク・バールトン氏は、「定義上のリセッションは現実化したものの、カナダ経済は第3・四半期は力強く回復する」との見方を示した。
ただ、今回のGDP統計を受け、カナダ中銀(中央銀行)が来週にも追加利下げを決定するとの観測は後退。バールトン氏は「中銀は第3・四半期の状況を見極めようとする」としている。
- 1/1