米ADP民間雇用急速に鈍化、9月利上げ期待抑制も

2015年8月5日(水)23時04分

[ワシントン/ニューヨーク 5日 ロイター] - 7月の米民間雇用の伸びが急激に鈍化した。景気の勢いが失われたことを示し、9月の利上げ期待を抑制する可能性もある。

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが5日発表した、7月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は18万5000人増えたが、4月以来の低い伸びにとどまった。

市場予想の21万5000人増を大きく下回った。 6月分は当初の23万7000人増から22万9000人増に下方修正された。

7月の米雇用統計は7日発表予定だ。ロイターがまとめたエコノミスト予想によると、非農業部門の雇用者数は22万3000人増で、6月と同水準が見込まれている。

雇用ペースが緩やかになり、賃金上昇も幾分失速する兆候がみえ、9月の利上げ観測に疑問符が付く可能性もある。

ムーディーズ・アナリティクスの首席エコノミスト、マーク・ザンディ氏は「雇用の伸びは堅調だが、年初から緩やかなペースになった。伸びが鈍化していても、完全雇用状態へ労働市場が急速に近づいている」と分析した。

同氏の分析によると、米エネルギー産業は年初来、月1万━1万5000人を一時解雇(レイオフ)している。石油相場が弱含み続けば、この傾向が年内続く可能性もあると見通した。

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