米FRB、緊急的な緩和解除の開始可能=クリーブランド連銀総裁
2015年7月16日(木)02時36分
[15日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀行のメスター総裁は15日、労働情勢が概ね改善し、米経済がギリシャ危機の影響を回避できる公算が大きい中、連邦準備理事会(FRB)が「緊急的な」金融緩和政策の解除を開始することが可能との見解を示した。
メスター総裁は講演原稿で「米経済はフェデラルファンド(FF)金利の上昇に対応できる」との見方を示した。
そのうえで、小幅な利上げは「金融政策の引き締めではない。これまでの景気回復と今後も継続することが見込まれる回復を踏まえれば、緊急的な措置であるゼロ金利からの引き上げは可能だ」と述べた。
イエレンFRB議長をはじめ、FRB当局者の多くは年内の利上げ実施を想定している。ただ、強弱入り混じる米経済指標やギリシャ問題によるユーロ圏全体への影響、中国の成長鈍化などを受け、年内の利上げ開始に懐疑的な見方が台頭する中、メスター総裁は、利上げが米連邦公開市場委員会(FOMC)1、2回分前倒しされても、後ずれもしても大差ないとの考えを示した。
また、ギリシャ情勢については、世界経済に著しい悪影響をもたらすリスクは現時点でさほど高くなく、自身の米経済見通しを変更するには至らないと述べた。
総裁は、年内と2016年の米成長率が2.75─3%になると予想する。
総裁は今年のFOMCで投票権を持っていない。
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