ギリシャ金融市場、波乱の1週間持ちこたえて終了
[ロンドン 19日 ロイター] - ギリシャ支援交渉が難航し、ユーロ圏は来週初めに同国がデフォルト(債務不履行)した場合への対応を協議する事態となるなか、ギリシャの金融市場は19日、波乱に満ちた1週間を持ちこたえて終了した。週明け22日に行われるユーロ圏首脳会議への期待が下支えとなっている。
ギリシャの主要株式指数ATGは前日の取引で3年ぶり安値を更新したが、この日は前日終値比約0.57%高で終了。ただ、下落率は週初からは11%、年初からは17%となっている。
債券市場では、今週に入り4月以来初めて30%を上回った2年債利回りが28.5%と、3ベーシスポイント(bp)低下し、今週に入り最低水準を付けた。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の欧州金利ストラテジスト、マイケル・ミケリデス氏は、「市場はこうした状況に既視感を覚えている」としたうえで、「紆余曲折があろうとも、いつかは合意が得られるとの見方が大勢となっている」としている。
ユーラシア・グループによると、ギリシャの債務不履行、資本規制の導入、さらに同国がユーロ圏を離脱する可能性は高まってはいるものの、支援協議で合意が得られる確率は60%あるとしている。
マークイットによると、ギリシャの5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、この日は2895bpとなり、前日の2920bpから低下した。
ただ、ギリシャの銀行からは今週は30億ユーロを超える預金が流出。欧州中央銀行(ECB)は今週、ギリシャの銀行に対する緊急流動性支援(ELA)枠を11億ユーロ引き上げ841億ユーロとしたが、流出額はこの上乗せ幅を大きく上回っている。
ステッペンウルフ・キャピタルの首席投資責任者(CIO)、フォーブス・テオロジテス氏は、「流動性は最低水準に落ち込んでおり、世界が終わりを迎えるかのように、人々は銀行から預金を引き出している」とし、「22日に銀行が業務を停止すれば、どのような事態になるか。こうした状況下では、価格水準は何の意味を持たない」としている。
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