米債券市場の流動性懸念、FRB理事とブラックロックCEOが言及
2015年6月5日(金)08時32分
[ニューヨーク 4日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のタルーロ理事は4日、米債券市場で表面化しつつある流動性懸念について、金融規制当局が注意深く見守っていることを明らかにした。
ただ、同理事は流動性に対する懸念はあるものの、市場のプライシングにはまだ大きな振幅は見られていないと述べた。
国際金融協会(IIF)サミットの講演でこの問題を提起したのはタルーロ理事だけではない。
資産運用世界最大手であるブラックロックのフィンク最高経営責任者(CEO)はこれに先立ち、「確かに債券市場では大幅な流動性の低下が見られる」と指摘。「バッファーがないため、潜在的に市場が凍りつく可能性がある。私はこうしたことが起きるとは思っていないが、懸念はある」と述べた。
また、タルーロ理事は金融政策について語ることはほとんどないが、この日は不透明な経済見通しに言及。第2・四半期にこれまで公表された経済指標について、前年同期の指標で明らかだったような米景気回復は示されていないと述べた。これは他のFRB当局者と同様の見方だ。
第1・四半期の米国内総生産(GDP)改定値がマイナス成長に下方修正されたのは一時的要因によるものとしつつ、景気低迷が続くかどうかは今後見極める必要があるとした。
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