ギリシャ資金供給、早期に条件緩めず=ECB当局者

2015年5月29日(金)01時37分

[フランクフルト 28日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)当局者は28日、ギリシャへの資金供給の条件を早期に緩めることはないとの考えを示した。

ECB理事会メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁はこの日、ギリシャへの資金供給ではルールを順守すべきだと強調し、現時点でギリシャ国債の担保受け入れ再開はできないとの認識を示した。CNBCテレビに対して述べた。

総裁は「(資金供給に向けて)いくつかの条件が満たされるべきなのは明らかだ。そのうちのひとつは、ECBがギリシャ国債を担保として受け入れることができるかという点だが、現時点で答えはノーだ」と述べた。さらに「ルールの外で資金供給を行う可能性はない。つなぎ的な資金供給を行うとの観測もあるようだが、法律的に不可能だ」と断言した。

ECBは今年2月、資金供給の担保としてのギリシャ国債受け入れを突然停止した。財政改革で新たな合意ができない限り、ギリシャは金融システムの中で孤立した存在となり、同国の銀行への資金供給はギリシャ中銀が担うことになった。

一方、ECBのコンスタンシオ副総裁も、記者団に対してギリシャがデフォルト(債務不履行)する可能性に言及し、状況の深刻さを強調した。ギリシャがデフォルトに陥れば、16年のユーロ圏の歴史で初めての事例となる。

副総裁は、ギリシャの財政改革プログラムが完了・成功したことを理事会が確認して初めて、ECBは資金を供給できると指摘。「ギリシャのユーロ圏離脱はないだろう」との見通しを示す一方で「良くないことがいくつか起きる可能性は排除できない」と述べ、ギリシャがデフォルトに陥る可能性を示唆した。

ギリシャの銀行は政府がデフォルトに陥った場合でも「ギリシャ国債の巨額の減損に耐えられる」と強調。「ギリシャ政府がデフォルトと、銀行の破綻が自動的につながるわけではない」と述べ、ギリシャの銀行は引き続き中銀を通じた緊急流動性支援の対象であり続けることを示唆した。

*内容を追加して再送します。

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