ユーロ圏4月PMI速報値は予想外の悪化、新規受注が低迷

2015年4月23日(木)18時40分

[23日 ロイター] - マークイットが発表した4月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値は、景況改善と悪化の節目である50は上回ったものの、新規受注の低迷で予想に反して前月から低下した。

製造業とサービス部門を合わせた総合指数は53.5。市場は前月の54.0から54.4に上昇すると予想していた。

製造業PMIは51.9、サービス部門PMIは53.7で、いずれも予想に反して前月の52.2、54.2から低下した。

輸出支援要因となるユーロ安や欧州中央銀行(ECB)の量的緩和開始を受け、エコノミストの間や市場では景気見通しが改善していた。そうした中でのPMI悪化に、マークイットのクリス・ウィリアムソン氏は「大いに失望させられた。しかし、年初の回復がとん挫したと結論づけるのは早計だ」と語った。

<新規受注が低迷>

総合PMIの新規受注指数は53.8に低下。サービス部門の新規受注指数も54.6から54.5に低下した。

製造業では、生産指数が53.6から53.1に、受注残指数が51.1から49.9に低下した。

<フランスの悪化鮮明>

4月のユーロ圏PMIを押し下げたのはフランス。

総合PMIは50.2と、節目の50を2月から3カ月連続で上回ったものの、水準はその中で最低。市場が改善を予想していた製造業は景況悪化が深刻化した。

マークイットのジャック・ケネディ氏は「企業が価格を引き下げているにもかかわらず、新規受注の伸びが鈍った。仏企業が競争力で課題を抱えていることを如実に示している」と指摘した。

ドイツも、政府の慎重な見通しを正当化するような結果だった。

総合PMIは、24カ月連続で節目を上回ったが、8カ月ぶりの高水準だった3月から低下。製造業、サービス部門ともに予想に反して低下した。

ドイツ政府は前日、2015年の成長率予測を1.8%に上方修正した。ただ、ほぼ2倍の2.1%に引き上げた国内シンクタンクに比べると、慎重な見方をしている。

マークイットのウィリアムソン氏は「5月も弱い結果なら、産業界の見方が政府のそれに近づいていることになる」と指摘した。

*内容を追加しました。

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