NY外為市場=ドル下落、弱い米小売売上高とIMFの米成長率予測引き下げで

2015年4月15日(水)07時26分

[ニューヨーク 14日 ロイター] - 14日のニューヨーク外為市場では、ドルが下落した。朝方発表された3月の米小売売上高が市場予想を下回り、続けて公表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しで米国の2015年と16年の経済成長率が引き下げられたことがドル売り材料となった。

3月の米小売売上高は前月比0.9%増で、ロイターがまとめた市場予想の1.0%増に届かず、コア売上高も0.3%増となり、予想の0.5%増を下回った。またIMFは米国の2015年と16年の成長率予測を今年1月時点での予測3.6%と3.3%から、それぞれ3.1%へと下方修正した。

ドルの主要6通貨に対するドル指数は0.7%安の98.745。アナリストによれば、先週ドルは3%上昇し、ポジション調整の機は熟していた。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)で通貨戦略部門の責任者を務めるマーク・チャンドラー氏は「この小売売上高の指標で、市場が第1・四半期の米成長率予想を引き下げても驚かない。IMFの成長率見通し引き下げと合わせ、ドルの買い持ちポジションを縮小する理由になる」と指摘した。

ユーロ/ドルは終盤の取引で0.8%高の1.0653ドル。ただ、ギリシャが期限の月末までに債務を返済できないかもしれないとの懸念から、ユーロの上昇も限定的だった。

安倍晋三首相の経済ブレーンで内閣官房参与を務める浜田宏一・米イエール大名誉教授は13日、購買力平価からするとドル/円は105円くらいが妥当と発言したが、14日のロイターとのインタビューでは120円程度は許容範囲との考えを示した。

これを受けて円は主要通貨に対して売られた。ユーロ/円は13日に約2年ぶりの安値水準に下落したが、その後持ち直し終盤は0.2%高の127.15円での取引となっている。

ドル/円    終値   119.38/41

始値   119.93/94

前営業日終値   120.14/17

ユーロ/ドル  終値   1.0653/56

始値   1.0564/65

前営業日終値   1.0567/72

*内容を追加しました。

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