独10年債利回り過去最低、QEが大規模な入札の影響相殺

2015年4月15日(水)04時33分

[ロンドン 14日 ロイター] - 14日のユーロ圏金融・債券市場では、独連邦債10年物利回りが過去最低を更新。他の高格付け国債利回りも軒並み低下した。

今週はユーロ圏各国による国債発行が目白押しで、それに伴う圧力が高まっているものの、欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れ効果に相殺されている。

独10年債利回りは2.5ベーシスポイント(bp)低下し、過去最低水準となる0.13%をつけた。ギリシャ問題をめぐる懸念が追い風となっている。

オランダは同日、25億ユーロの5年債を発行。

イタリアは前日、総額75億ユーロの3、7、15年債の入札を実施した。さらに14━15日には34億ユーロ規模のインフレ連動国債を個人投資家に向けに販売する。

ドイツは15日、最大40億ユーロの10年債発行を計画。16日にはスペインが最大50億ユーロの国債を、フランスが最大100億ユーロの国債発行をそれぞれ計画している。

アナリストは、低格付け国による期間が長めの国債発行が継続すると予想。サンライズ・ブローカーズの債券リサーチ・エグゼクティブ・ディレクター、ジアンルカ・ジグリオ氏は、スペインやイタリアなどは少なくともECBの国債買い入れが終了する2016年9月まで、債務の残存期間を延長すると想定する。

スペイン10年債とイタリア10年債利回りはともに4bp上昇し、それぞれ1.30%、1.29%となった。

ギリシャ10年債利回りは43bp上昇し、11.92%。同2年債利回りは2%ポイント上昇の23.39%となった。

フィナンシャル・タイムズ(FT)は、ギリシャが月末までに債権団と合意できなければ、債務不履行(デフォルト)に向けた準備を行うと報じた。ギリシャは同報道を否定している。

ノルディアの首席債券アナリスト、ジャン・ボンゲリッヒ氏は「ギリシャ問題の影響拡大は極めて限定的になるようにみられる」と述べた。

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