ドル120円前半、弱い中国貿易収支でドル高圧力

2015年4月13日(月)12時42分

[東京 13日 ロイター] - 正午のドル/円は、前週末ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル高/円安の120円前半だった。朝方から方向感なく推移していたが、中国の弱い貿易収支を受けてドル買い圧力が強まると、小幅に上昇した。

ドル/円は120.20円台を中心にもみあっていたが、小高く始まった日経平均株価がマイナス圏に沈む中、いったん120.09円まで下押された。ただ、「下がったところでは買いたい人もいる」(邦銀)とされ、同水準で下げ渋ると仲値に向けてじりじり値を戻した。

仲値後は動意に乏しい展開となったが、午前11時に発表された中国の貿易収支が弱い内容になると、中国経済と関連の深いオーストラリアの豪ドルが対米ドルで急落。ドル買い圧力が強まり、ドル/円も強含む展開となった。ドル/円は120.36円まで上昇し、正午にかけて同水準でもみあった。

中国税関当局が発表した3月貿易収支によると、輸出はドル建てで前年比15.0%減となり、予想の12.0%増を大幅に下回った。一方、輸入は同12.7%減で、予想の11.7%減に比べて減少幅が大きかった。

朝方は2月機械受注の発表や、黒田東彦日銀総裁の支店長会議でのあいさつもあったが、市場の反応は限定的だった。黒田総裁は「景気は緩やかな回復基調を続けている。先行きについても、緩やかな回復基調を続けていく」との見方を示した。消費者物価の前年比は、消費税の影響を除き前年比ゼロ%程度となっており、「先行きも当面ゼロ%程度で推移する」との従来の見解を繰り返した。

<円ショート積極化は4月以降との見方も>

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(7日までの週)によると、円の売り越しは2万4449枚で、前週の2万3924枚から増加した。市場では「円ショートは減ったまま。もう少し明確な円売り材料が出てこないと、それも戻ってこない。ただ、戻りだせば押し上げる力はありそうだ」(国内金融機関)との声が出ていた。

一方、日本の統一地方選(前半戦)について市場では、野党と対決した2つの知事選をともに防衛した与党の「勝利」との評価になっているという。野村証券のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は「アベノミクスへの信認」との解釈は、ドル/円、日本株にとってはプラスだろうと指摘。

その上で「海外ヘッジファンドには『26日の後半戦が終わるまで、政権は円安を加速させたくないはず』との見方も根強い。彼らが円ショートを再び積極化させる時期としては4月末以降が有力だろう」とみている。 d

ドル/円   ユーロ/ドル ユーロ/円

正午現在   120.33/35 1.0595/99 127.50/54

午前9時現在 120.19/21 1.0605/09 127.47/51

NY午後5時 120.26/32 1.0606/11 127.48/52

(為替マーケットチーム)

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